復興できる証拠

復興させるのは大変な仕事だ。瓦礫の町をながめれば、誰でもそう感じる。とんでもない事だ。「目眩のするような」といっても比喩にとどまらない、絶望してなげだしても誰も非難しない、本当に遠大な道のりだ。

その労苦をおもう時、かつておなじ道のりをあるいた人々がいたことに、私たちはどうしたって気づく。なくす前はあたりまえに享受してきて、なくしてからは理想郷のように美化したくなる、今は瓦礫の海になってしまった町を、つくった人々がいた。

形ある構造物だけにかぎっても、同等のところまで復興させるのは容易ではない。ただ私たちの記憶の中には、それが達成可能な仕事であるという、証拠がのこっている。