ちっぽけである

広大な山林、ではなくて広大な瓦礫の原を、目の前にして、自分はどうしてこうもちっぽけなのかと、みじめな気持になる。それは自分が、瓦礫の原に対して、どうにかならないか、どうにかできないかと、自問自答するからだ。みわたすかぎりの大海原とか青い山脈とか、そういうのは、ただながめていればいいだけだ。

1000兆円という日本の財政赤字なんて、たれながしのヘドロの海原だけど、10兆とか20兆とかいう財政出動が復興のために必要だとすると、国民一人あたりどういう負担になるか、ちょっとはかんがえてみたくなる。

あまりにもちっぽけで、みじめで、無力な自分をかみしめながら、何かちょっとぐらいできる事がないかをかんがえつつ、地べたを匍匐前進するように、だまって毎日をすごしてゆく。私たちは、そういうことでいいのではないか。